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ヤマグチノボル先生お別れ会/描きかけのラブレター
ハルケギニアに召喚されたノボル先生元気してっかな。
<挨拶

ジョーです。ごきげんよう。

ご存じの方も多いかと思いますが、去る4月4日に、ゼロの使い魔シリーズなどの原作者としてお馴染みのライトノベル作家ヤマグチノボル先生がお亡くなりになられました。ゼロの使い魔では4人の虚無の担い手とその4人の使い魔が物語のキーである「4の4」と呼ばれていることから、ファンの間では4の4の日がノボル先生の命日と覚えられているとか何とか。

そして、本日5月13日は、渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにて、ヤマグチノボル先生のお別れ会が行われました。ノボル先生が大好きなファンの一人として、会社をお休みして献花させていただきました。私達ファンのためにこのような場を設けていただいた発起人の作家の皆様並びに編集部の皆様には最大限の感謝を。

会場には先生の作品にちなんだ様々なものが陳列されていると共に、作家の皆さん、編集部の皆さん、アニメ関係者の皆さんを始め、大勢の関係者の皆様からのメッセージが小さな紙にびっしりと、読み切れないほど大量に、3枚のボードを埋め尽くしておりました。中でも、一番印象に残ったのは、ゼロの使い魔のイラスト担当、相棒とも言える兎塚エイジさんのイラスト。特大の描き下ろしルイズに添えられたメッセージ。2chのヤマグチノボルスレの人が最高にいいことを言っていたのでちょっと引用。

803 名前:イラストに騙された名無しさん[] 投稿日:2013/05/13(月) 18:01:30.11 ID:TJ4E1tjH
兎塚さんがコメント出さない事に少しモヤモヤしていたけど、会場の書き下ろしのパネル見て納得したわ
絵描きには絵描きの追悼の姿勢があるんだって

本当にね。全くその通りですね。少なくとも仲が悪いようには思えなかったけど、コメントがないとか結構ドライな関係だったのかなとか思ってました。同じ事思ってた人、きっと多いと思うので、ここはみんなでごめんなさいしようね。

間違いなく、各巻の表紙と比べるまでもなく、今まで見た中で最高のルイズでしたよ。他はともかく、せめてこれだけは、会場に行けなかったファンの皆さんのために、どこかで公開して欲しいなあ。

先生が亡くなったことに関してコメントしている人はたくさん居るわけですが、中でも印象的なのは、やはり、日野さんと釘宮さんでしょうか。日野さんはブログでコメントしてます。「才人の事は任せて下さい。」なんてね。いい年してカッコつけ過ぎじゃないですかねこの人。日野さんだから言える、日野さんにしか言えない最高のメッセージじゃないですかね。いかにもサイトが言いそうな。釘宮さんの方に至っては、いくら自分のブログやらTwitterやら持ってないからといって、所属事務所のHPにメッセージを掲載とか、やり過ぎでしょうこの人。

お二人を始め、我々ファンの分も、メッセージはノボル先生に届くのではないかなと思うんです。あの人、年中電波受信してましたから。そういうのは得意だと思うんです。


しかし、ノボル先生のあの文章は誰にも真似できないよなあ。ゼロの使い魔、後二巻、原作も完結して欲しかったなあ。スオムス要らん子中隊シリーズも4巻以降読みたかったなあ。烈風の騎士姫は…まだまだこれからだった。汗を舐める吸血鬼はその後どうなったのか。血液の成分に近いから汗をペロペロしてればオッケーな吸血鬼なんて変態設定、先生以外の誰が使うんだ。グランクレストのリプレイのPC参加も楽しみにしてた。ヒラコー先生とかと遊びでやってたTRPGのリプレイも書いてくれるなら読みたかった。そして何よりも新作が読みたかった。例えどんだけアレな内容であったとしても、つっぱれ有栖川クラスの野心作だったとしても、信者としては頭を抱えながら頑張って付いて行く準備はできていました。

今日のお別れ会も、ヨドバシアキバでゼロの使い魔の1巻を新しく買って持って行きました。こういうのはまあ、自分が読み古した単行本を持ち込むのが普通なんでしょうけど、新しく1冊買った方が先生的には喜ぶのかなというしょうもない発想です。第34刷ですってよ。すごいですね。今読んでもやっぱり面白い。

献花する時には、最後にあれとこれと伝えなければ…とか色々考えていたのに、いざ自分が献花する番になったら、何も思い付かず、花を置いて礼をした所で気が付けば涙が。ほんとうにもう勘弁していただきたい。そんなつもりは全くなかったのに。Twitterで誰かが言ってましたけど、献花をしたら「ああ、この人は本当に死んでしまったんだな」と、実感が湧いてくるということでしょうか。でもまあ、会場には雨が降ってたから良かったですね。俺の他にも濡れてる人がいっぱい居たから。

先生。お疲れ様でした。今まで最高の物語をありがとうございました。


○描きかけのラブレター 富士見ミステリー文庫・ヤマグチノボル
というわけで。先生の話をするのであれば、先生の本の読書感想文の一本も書かなければ締まらないでしょう…ということで、俺のヤマグチノボルコレクションから一冊チョイス。なんと平成16年の本らしいですよ。9年前になるんですかね。

それで、こんな古い小説でネタバレするんじゃねえという声はまあ無いだろうということで、オチ以外の内容には触れていく方向でストーリーなど紹介しますと、この話は美大に通う主人公を中心としたラブストーリーです。物語は主人公が高校生の頃から始まります。主人公が所属していた美術部に、ヒロインの円(まどか)が入部してきます。円に描いていた絵をバカにされ、その仕返しに円をネタにした漫画を描いていたことがバレた主人公は、円と犬猿の仲になるわけですが、ああだこうだといがみ合っているうちに、二人はいつの間にかデートする仲になるのです。

そして時は流れ。高校卒業の時。主人公は茨城(恐らくはヤマグチノボル先生の故郷の日立市)から東京の美大に進学が決まるのですが、円は受験に失敗して、浪人することになります。茨城の円と電話で連絡をしつつも、大学生活を満喫する主人公。その一年目の夏に、父と喧嘩をして家出をしてきた円が主人公のアパートに転がり込んできます。円は母の再婚相手である現在の父と仲が悪いのです。

その後、円を心配した円の父から主人公に電話があり、二人で話をすることになります。そこで円の父に気に入られた主人公は、円の父が円の実の父親であることと共に、円の父が病気で、余命が1年であることを聞かされます。そして、これからの最後の1年は円を実家に留めておいて欲しいこと、そして病気のことと自分が本当の父であることは円には秘密にしておくことを約束します。主人公の説得の末、来年は受験に成功して東京の美大に通うことを宣言して円は実家に帰ります。

そして年末年始の連休で久しぶりに実家に帰ってきた主人公は、円の父が倒れたという連絡を受け、円と共に円の父のお見舞いに病室に行きます。そして、そこで主人公が約束を守っていることを確認した父は、主人公とこういう会話をします。

「あと一年なんて言われてもね、初めはピンと来なかった。しばらく考えて、娘の絵を描くことにした。二度と筆を握るつもりはなかったけど、最後なんだからいいだろうってね。そう思ってね。でも、完成させる前に、このザマだ。別に、今さら娘に感謝されたいとか、父と認めて欲しいとか、そういう考えはないんだけど、完成しないのが、なんだか癪でね。君は、美大に通っているんだろう?」
「はい」
「ひとつ、この絵を、描きあげてやってくれないかね」
「僕、がですか」
「うん」
「いいんですか?僕で」
「誰が描いても、円は円だ。でも、やっぱり君しか頼める人はいないだろう」

恐らく、9年前に読むのと今読むのとでは印象が変わってくるであろうワンシーン。最愛の娘の絵を完成させられなかった父の心境は、自分の代表作を完結させられなかった作家の心境と何が違うのかなあと。いや、まあ、大分違うとは思いますけどね。しかですね。

ノボル先生はゼロの使い魔のプロットは完成した!って言ってましたから、原作者自身の手による完結が不可能になった以上、そのプロットがそのまま公開されるか、誰か他の作家さんの手で文章になって公開されるか、最近のMF文庫Jお得意のアンソロジー形式にするか、ドラマCDにするか、その他何らかの形でこのプロットは陽の目を見ることになるのかなというのが大方の予想(ファンの妄想)だと思うのですが、しかしファンならばヤマグチノボル先生以外の手によるゼロの使い魔なんてどんなにクオリティ高くても所詮は同人誌と思うわけですね。

俺もそう思っていたのですが、しかし、この小説を読んで少し意見が変わりました。もし仮に、先生が誰かに後を託していたのなら、それはそれとして受け入れてもいいのかなあと。

「時と共に、絵の具は少しずつ変わり、見た者の印象も変わるだろう」

この描きかけのラブレターというお話は、父に絵を託された所で全体の3/4です。続きと結末は、まあ、興味がある方は古本屋さんででも探してみてください。「キュンとする普通の恋愛小説」というコンセプト通り、期待を裏切らない出来栄えじゃないかなあと思います。今更ながら、先生は一冊で締める短編の方が上手いんじゃないかなあw

最後ですが、ヒロインの円は強気な中に弱さを持っている、言うなればルイズみたいな女の子です。俺はこういうヒロインが好きだ!次に書くときもヒロインはルイズだ!って言ってた(ような気がする)先生らしいヒロイン像だなあと感心する次第です。とてもいいと思います!

とりあえず、未読のヤマグチノボルファンの方は、今だからこそ、この本を読んでみられてはいかがかなと思うわけです。是非どうぞ。


描きかけのラブレター (富士見ミステリー文庫)
ヤマグチ ノボル 富士見書房 売り上げランキング: 361,877



○今日のニコニコ


このラストはこのラストでもちろん嫌いじゃないです。BD全巻買いましたとも。

先生。今まで本当にお疲れ様でした。間違いなく、一番大好きな作家さんでした。

心からご冥福をお祈りいたします。
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